スーパーコンピュータ「京」を知る集い in 東京(開催報告)

 平成24年12月8日(土)に第11回目の「スーパーコンピュータ「京」を知る集い」をイイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1)において開催しました。
 今回、309名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。
 各講師のプレゼンテーション要旨につきましては、こちらからご覧いただけます。プレゼン資料ついては下記のプログラムの中にPDFファイルで置きましたので、ダウンロードしてご覧ください。
 なお、当日回収させていただきましたアンケート調査の結果はこちらをご覧下さい。次回以降の開催の際の参考とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

■概要

  • (1)主  催:独立行政法人理化学研究所
  • (2)開催日時:平成24年12月8日 土曜日 13時~15時30分(受付12時30分〜)
  • (3)開催場所:イイノホール
            ( 東京都千代田区内幸町2-1-1 )
  • (4)定員:300名程度(先着順)
  • (5)プログラム
13時~13時5分

挨拶

平尾 公彦
理化学研究所計算科学研究機構 機構長
13時5分~13時30分

スーパーコンピュータ「京」で何ができるの? プログラムpdf

横川 三津夫
理化学研究所計算科学研究機構運用技術部門 部門長
13時30分〜14時10分

スパコンで見る血液の流れ プログラムpdf

大島 まり
東京大学大学院情報学環/東京大学生産技術研究所 教授
14時10分~14時25分

休憩

14時25分~14時50分

「技術の壁を突き破れ!スーパーコンピュータ「京」の開発」(VTR)上映

14時50分〜15時30分

地球を作る実験 星くずから惑星へ プログラムpdf

小久保 英一郎
国立天文台理論研究部 教授

■講演要旨

■スーパーコンピュータ「京」で何ができるの?:横川 三津夫

 スーパーコンピュータは、足し算や掛け算が一般のパソコンよりも桁違いに速いコンピュータで、主に科学技術計算に使われています。スーパーコンピュータを使うことによって、ものすごく複雑な現象が分かるようになってきました。たとえば、地球温暖化や宇宙の進化などの時空間の大きな現象、エンジンルーム内の燃焼や身体の中のたんぱく質の動きなど超短時間のミクロな現象,実験室では再現出来ない現象などを、計算機シミュレーションという方法で、我々の目に見える形にしてくれます。
 我々が開発した「京」は、1秒間に1京回(1兆の1万倍)の加減乗算が可能な世界でトップクラスの計算性能を持つスーパーコンピュータです。「京」の開発では、一つのCPUの計算性能を出来るだけ高くすると同時に、8万個以上のCPUを高速に接続し協調させて動作させる技術が必要でした。このため、CPUは45ナノメートルの半導体プロセス技術という超微細加工技術を用いて製造され、またTofu(Torus Fusion)と名付けられた6次元接続のインターコネクト技術を採用しました。
 計算科学研究機構(神戸)に設置された「京」は、現在、多くの研究者やアプリケーション開発者によって利用され始めました。「京」の利用により、我々の知らない世界、これまで分からなかった現象が見えるようになり、我々の生活に役に立つ成果が得られるものと期待しています。

■スパコンで見る血液の流れ:大島 まり

 私たちの体の中を流れている血液。その血液の流れは、体の隅々まで酸素や栄養を運ぶ重要な役割を担っています。一方で、動脈硬化症や動脈瘤などの心疾患や脳血管障害を引き起こす原因となりえることも最近の研究により分かってきました。いったい、体の中を血液はどのように流れているのでしょうか。スーパーコンピュータ(スパコン)を用いることで見ることのできない血液の流れを調べることができ、病気の早期発見や治療の支援に役立てることができるのです。スパコンを使って、体内の血液の流れがどのなっているのか、探ってみましょう。

■地球を作る実験 星くずから惑星へ:小久保 英一郎

 生命を宿す惑星、地球。暗黒の宇宙の中で青く白く輝く私たちの故郷。地球はどのようにして誕生したのでしょうか。現在考えられている標準的な地球形成シナリオは次のようなものです。地球をはじめとする太陽系の惑星は、約46億年前に原始太陽系円盤とよばれる太陽のまわりの円盤から誕生しました。この円盤は、太陽の前の世代の恒星の星くずであるガスと塵からできています。この塵が地球のもとになります。まず塵が集まり、微惑星とよばれる1kmほどの小さな天体が生まれます。太陽系全体で1000億個ほどできたと考えられます。微惑星は太陽の周りを回りながら衝突合体をくり返して大きくなり、やがて原始惑星へと成長していきます。現在の地球の軌道付近には約10個の地球質量の1/10ほどの原始惑星ができます。円盤のガスがなくなると、この原始惑星が衝突を始め、最終的に地球が誕生します。そして、太陽からちょうどいい距離に、ちょうどいい質量と組成で誕生した地球は、海をもつ惑星となったのです。これらの形成過程は現在、数値シミュレーションを用いて実験的に研究が進められています。 講演では数値シミュレーションの結果を紹介しながら、最新天文学が解き明かした地球の誕生物語を解説します。、

■アンケート調査結果

※309名中286名が回答

Q1.性別を教えてください。

Q2.年齢を教えてください。

Q3.ご職業を教えてください。

Q4.どちらからお越しになられましたか。

Q5.「京」を知る集いの開催をどこでお知りになりましたか。(複数回答)

Q6.講演内容について

Q7.開催時間について

■お問合せ先

独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構 広報国際室 岡田 昭彦
TEL:078-940-5625 FAX:078-304-4964
E-mail:aics-koho@riken.jp (全角を半角に修正後お送りください)
URL:http://aics.riken.jp/shirutsudoi

印刷用チラシデータはこちらからダウンロードしていただけます。【pdf 389KB】