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システムソフトウェア研究チーム

K computer Newsletter No.1 : 研究チーム紹介

私たちは、「京」に最大限の性能を発揮させるためのシステムソフトウェアの開発に取り組んでいます。「システムソフトウェア」とは、ハードウェアをうまく管理してシステムとしてのスーパーコンピュータを動かすためのもので、みなさんが使うパソコンでいえば「Windows 7」「Mac OS X」などにあたります。

多くのCPUをつないで情報のやり取りをしながら同時に計算を進めていくのが、「京」のようなスーパーコンピュータの特徴です。CPUが増えると、CPU間の通信やメモリへのアクセス、ハードディスクへの大量かつ同時に起きる読み書きなどにかかる「計算とは無関係な時間」が無視できなくなります。システムソフトウェアを改善することで、この計算とは無関係な時間を減らすことができるのです。しかし、システムソフトウェアは、自分自身の動作の一部が計算とは無関係な時間に計上されてしまうという、非常にデリケートなものでもあります。このため、必要かつ最低限のシステムであることが求められます。さらに、コンピュータは「故障するもの」です。もし、どこかで障害が発生してもスーパーコンピュータ全体の機能をきちんと維持できるよう、故障に耐えられるしくみをシステムソフトウェアの中につくることも非常に重要です。

「京」のようなスーパーコンピュータに向けた新しいハードウェアの管理は、今まで通りの方法では通用しないことも多々あります。そうした困難を、システムソフトウェアでどうやって乗り越えようかと新しく考えていくのは、とても大きな喜びです。

(今田俊寛)

石川 裕チームリーダー(中央)とチームのメンバー

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