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7

スパコン大活躍!
次世代エネルギーとスパコン

「燃える氷」メタンハイドレート

あれれっ、氷が燃えているよ!どういうこと?
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「燃える氷」人工メタンハイドレートを燃焼させたもの
出所:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム http://www.mh21japan.gr.jp/mh/02-2/

これはメタンハイドレートじゃな。メタンと水が結合してできた物質で、海底の土の中に氷の状態で存在しているんじゃ。「燃える氷」とも呼ばれていて、石油や天然ガスに代わる次世代のエネルギー源として期待されているんじゃよ。
すごいや!博士、どれくらいの量があるの?
メタンハイドレートの資源量は、全世界の化石燃料の2倍以上とも言われておる。一説によると日本近海だけで、わが国が年間に消費している天然ガスの約100年分が存在するとも言われているんじゃ。
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出所:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム http://www.mh21japan.gr.jp/mh/02-2/#5

海の底に眠る次世代のエネルギー

100年分!それならボクたちが大人になってもエネルギーは安心だね。
たしかに魅力的な資源なんじゃが、生産するのが難しい。メタンハイドレートは石油のように穴を掘っても噴き出してこない。かといって丸ごと掘り出すのでは採算がとれない。
うーん、なんとかならないかな。
分解して気体になったメタンガスだけを集める方法が研究されているんじゃが、そのためには、まずメタンハイドレートが分解するしくみを明らかにする必要がある。

メタンハイドレートの分子構造

08_03 左の図はメタンハイドレートの結晶の構造。

水分子(赤の酸素と青の水素の球)が水素結合(黄色の線)で結ばれた12面体と14面体が組み合わさって骨格をつくる。このカゴ状の多面体の中に、メタン分子(緑の球)が一個づつ入っている。

海の底にはプランクトンの死がいや植物などがたい積し、やがて発酵してメタンガスを発生させる。そのメタンの分子を包みこむ形でメタンハイドレートが形成されると考えられている。深海底のように温度が低く、圧力が大きいところでは、水の分子がメタンの分子をかこんで固まってしまう。

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id157.html
出所:岡山大学(2014年3月6日プレスリリースより)

こんなときこそスパコンの出番!

さあボクの出番だよ!海底でメタンハイドレートを分解するシミュレーションをして分子の状態を調べるんだ。
なるほど!
何百メートルもの海底で分子の観察をするのは大変だし、危険が伴うからね。でもシミュレーションなら、いろいろな温度や圧力の大きさをためして、分解したのかしないのか、メタンの分子がどんな反応でできてくるのかを細かく調べたり、予測したりすることができるよ。そして、実験をしている人たちと協力してメタンをうまく取り出す方法を考えるんだ。
将来はメタンハイドレートがエネルギーとして使えるといいね。
そうだね。
ボクのシミュレーションを日本や世界のみんなのために役立てて欲しいな。