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の未来
まとめ
9

スパコン大活躍!
ものづくりとスパコン

高性能で安全な車の開発

スパコンが活躍している例をもっと知りたいな。
身近な例をあげると、車の開発じゃな。車のまわりの空気の流れは車の乗り心地や、安定した走り、燃費や騒音などに大きな影響を与える。だから空気の流れを正確に知るために、人工的に風をつくる実験施設(風洞)で試作車に風を当て、空気の流れ方や空気抵抗を分析するんじゃよ。これを風洞実験と呼ぶんじゃ。
実際の車に風を当てるなんて、大きな施設で実験をするんだね。
そうなんじゃ。当然実験を繰り返すのには費用も時間もかかる。
わかった!その実験の代わりにスパコンでシミュレーションをするんだね!
そのとおり。
どうやって計算をするの?
それはボクの出番だよ。
風洞実験の空気の流れを数値に置きかえて計算するんだ。
どういうこと?
まず車体のまわりの空間を「格子」とよばれる小さなマス目に分割する。次にそれぞれの格子を出入りする質量、運動量、エネルギーに関する式を立てる。そして数千万から数億の計算式を解いて、空気が流れる速さや空気抵抗などの値を求めるんだよ。
うひゃ〜…いろいろ計算するんだね!

京を使ったシミュレーション

車のまわりの空気の流れには大きいものから1mm以下のものまで、無数の渦があるんじゃ。格子を細かくすると、より正確に空気の流れを見ることができて、実験では測りきれない不規則な動きまでとらえることができたんじゃ。計算が速い「京」だからこそ可能になったシミュレーションじゃのう。
えっへん!
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出所:計算科学の世界No.6 https://aics.riken.jp/newsletter/201309/interview.html

衝突実験

車を実際に衝突させる衝突実験にもスパコンが利用されている。実物を使った実験では一瞬で衝突が終わってしまうが、シミュレーションならスローモーションで見たり、拡大したり、いろいろな角度から見たり、衝突の瞬間、車体の内部で何が起きているかまで調べることができる。衝突実験は必ず行うが、シミュレーションに置きかえた分は、これまでのように試作車を何台も衝突させなくて済むので、費用をおさえられるだけでなく、省エネルギー・省資源につながる。

これからの「ものづくり」とシミュレーション

これからは突風や大雪などなかなか実験では再現できないことや、急ハンドルのように運転する人の動作も含めたシミュレーションもするようになるよ。将来、車への影響だけでなく、車に乗っている人の体への影響まで調べられるようになれば、より安全な車を、より短期間で、より安く開発できるんだよ!
「ものづくり」への熱い思いを感じるなあ。
ボク自身が日本生まれのスパコンだからね。日本の技術のすばらしさを知っているからこそ、日本ならではの「ものづくり」にどんどん貢献したいんだ!