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粒子系生物物理研究チーム

K computer Newsletter No.3 : 研究チーム紹介

当研究チームでは、細胞を構成する生体分子がどのように機能しているのかを研究するために必要な、生体分子シミュレーションの計算手法やソフトウェアを開発しています。

細胞内では、タンパク質や核酸をはじめとする様々な生体分子が複雑に絡み合いながら機能しています。では、細胞内において生体分子がどのように機能しているのかを知りたければ、どうしたらよいでしょうか?1つの答えとして、"細胞を構成する1つ1つの生体分子の動きを追跡してみる"ということが考えられます。このためには、生体分子の動きを支配しているニュートンの運動方程式を解かなければなりません。コンピュータを使って運動方程式を解くことにより、生体分子の動きを原子レベルの詳しさで、時々刻々追跡することができます。つまり、コンピュータは見えない生命現象を見せる"顕微鏡"です。 しかしながら、細胞内における生体分子の振る舞いを調べるためには、生体分子単体ではなく、細胞を構成している生体分子をまるごと考える必要があり、取り扱う原子数は膨大になります。したがって、細胞をまるごとシミュレートするためには、高速に運動方程式を解くことができるソフトウェアが必要です。

私たちの夢は、開発したソフトウェアを使って、これまで到達することが出来なかった細胞スケールの生命現象を解明していくことです。将来的に、細胞を構成する生体分子の振る舞いを知ることが、細胞全体の振る舞いや、病気・疾患のメカニズム解明などにつながっていくと期待しています。

(原田 隆平)

杉田 有治チームリーダー(前列右から3人目)とチームのメンバー

原子レベルでタンパク質の動きを追跡

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