複雑現象統一的解法研究チーム
Complex Phenomena Unified Simulation Research Team
複雑現象統一的解法研究チーム
Complex Phenomena Unified Simulation Research Team
私たちのチームでは、スーパーコンピュータの能力を使って、複雑現象をシミュレーションする方法を考えています。
さて、複雑現象という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?あまりに漠然とした言葉なのでとらえどころがないですが、少なくともシミュレーションで扱う「現象」は、科学の法則を「より所」として、その現象のしくみを数式で表せなければなりません。つまり、より所となる科学的法則さえもわからない「超常現象」は相手にできません。
では、「複雑」はどうでしょう。ここでいう「複雑」とは、いくつかの「現象」が絡み合った状態のことをいいます。例えば、風が吹いて吊り橋が揺れるような一見単純そうな現象は、実は橋の周りの流れ現象と、橋自体の振動現象が合わさった複雑現象ということになります。こうなると格段に難しくなって、70年前にアメリカでこの現象により大きな吊り橋が崩落したことさえあります。今までのシミュレーションというのは、ある特定の現象に対して、その現象を表す数式をコンピュータで解く方法(アルゴリズム)を考えてきました。ところが我々の身の回り、特に「ものづくり」の世界では、いくつかの現象が絡み合った結果起こる複雑現象であふれていて、現象を理解して設計に役立てるための新しいシミュレーションが待ち望まれています。
チームのメンバーは日本人2人の他、台湾、スウェーデン、インドから参加しています。この国際色豊かな顔ぶれで、日本のみならず世界のものづくりに貢献できるシミュレーションをめざして、日夜努力しています。
(坪倉 誠)
2014年3月18日発行