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ポスト「京」が目指すこと
第3回

K computer Newsletter No.13 : ポスト「京」が目指すこと

「京」の計算速度を大きく超えるポスト「京」の開発が進められています。
ポスト「京」ではいったいどんなシミュレーションが行われるのでしょうか。
9つの重点課題からピックアップして紹介します。

個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学(課題2)

加齢とともにさまざまな病気の発症リスクが高まります。高齢化が進行する中で、それらの病気の予防や早期発見、個人ごとに最適な治療を行う「個別化・予防医療」が切望されています。ポスト「京」によって初めて実現できる、検査データやゲノム情報などのビッグデータ解析や大規模な生体シミュレーションを行い、がん・心臓・循環器系・神経系などの疾患の病態の理解を深め、予防・早期発見の手法や個人ごとに最適な治療の探索法を研究します。それにより、個別化・予防医療の支援基盤となる統合計算生命科学を確立し、健康長寿社会の実現に貢献することが目標です。

革新的クリーンエネルギーシステムの実用化(課題6)

コストや環境に対する影響、安全性や資源量などあらゆる面で優れたエネルギー源はありません。複数の革新的クリーンエネルギーシステムの実用化を進める必要があります。ポスト「京」により、巨大なエネルギーシステムの中で起きるさまざまな現象の過程を、条件を変えて何度でもシミュレーションできるようにします。そのようなシミュレーションにより、二酸化炭素(CO2)を出さない石炭火力発電の鍵となる石炭ガス化炉、低コストで耐久性の高い燃料電池、洋上の大規模な風力発電施設、核融合発電の実用化を加速します。

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