FLAGSHIP2020 Project ポスト「京」プロジェクトFLAGSHIP2020 Project ポスト「京」プロジェクト

プロジェクト紹介Introduction

2020年頃の本格稼働を目指し、新たなスーパーコンピュータのプロジェクトが始動。
フラッグシップ2020プロジェクトは、世界トップレベルのコンピュータ・シミュレーションの実現を通し、
社会が抱える複雑な課題の解決とサイエンスの探求に挑みます。

フラッグシップ2020プロジェクト

ポスト「京」の開発 理化学研究所 研鑽科学研究機構 + Co-design協調設計 + アプリケーションの開発 重点課題(9課題) 萌芽的課題(4課題)

ポスト「京」の開発 理化学研究所 研鑽科学研究機構 + Co-design協調設計 + アプリケーションの開発 重点課題(9課題) 萌芽的課題(4課題)

フラッグシップ2020プロジェクトは文部科学省が推進する事業です。

社会やサイエンスの課題の解決を加速する“協調設計: Co-design”

さまざまな分野の課題解決のため活躍が期待される新たなスーパーコンピュータの開発 。高性能と使いやすさの両立のため、開発者とユーザが協力して、ハードウェアの設計段階から、実際に使用するアプリケーションを想定。ハードウェアとアプリケーションの協調設計: Co-design(コデザイン)を行います。

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達成できることFocus areas

「京」が切り拓いてきた数々の研究。さらなるブレークスルーを生み出すために、ポスト「京」で重点的に取り組む9つの課題が選ばれました。
より大規模で、より詳細なシミュレーションを通して、世界の研究をリードし、社会やサイエンスの課題解決を狙います。
各研究課題を実施する日本の大学や研究機関は2015年から活動を開始。新たな未来を創りだそうとしています。

健康長寿社会の実現

  • 01

    生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築

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    重点9課題

    健康長寿社会の実現

    01生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築

    理化学研究所生命システム研究センター ほか6機関

    高精度の計算技術を開発し高速かつ大量に計算を行うことで病気の原因分子と薬の候補化合物との新しい働きや作用を予測することが可能になります。これにより今まで困難であった薬の開発に新たな道を拓き、より良い医薬品をより速く、より安く安全に開発することを目指します。

     

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  • 02

    個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学

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    重点9課題

    健康長寿社会の実現

    01個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学

    東京大学医科学研究所 ほか6機関

    ポスト「京」によって初めて実現できる「情報の技術」、「物理の原理の応用」、そして「ビッグデータの活用」により、環境・生体時空間的にゲノムから全身を捉え、加齢などとともに生じるがん、循環器系、神経系など、全身の疾患に対して、その病態の理解と効果的な治療の探索法の研究を行い、その成果を個別化・予防医療へ返す支援基盤となる統合計算生命科学を確立することを目的としています。
     

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防災・環境問題

  • 03

    地震・津波による複合災害の統合的予測システムの構築

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    重点9課題

    防災・環境問題

    01地震・津波による複合災害の統合的予測システムの構築

    東京大学地震研究所 ほか4機関

    地震による建物の被害、津波との複合被害、人々の避難行動、交通やインフラの被害、さらには経済活動への影響までを全部合わせて計算し、「地震が来たとき何が起こるか」をまるごと予測しようとしています。このような予測結果が得られれば、防災計画の立案に大きく貢献することでしょう。

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  • 04

    観測ビッグデータを活用した気象と地球環境の予測の高度化

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    重点9課題

    防災・環境問題

    01観測ビッグデータを活用した気象と地球環境の予測の高度化

    海洋研究開発機構地球情報基盤センター ほか3機関

    気象衛星や新しいレーダーで得られる大量のデータをリアルタイムで取り込み、竜巻や豪雨の襲来を予測する方法の開発に取り組みます。また人の活動が環境にどのような影響をもたらすか、予測し監視するシステムの基盤をつくります。

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エネルギー問題

  • 05

    エネルギーの高効率な創出、変換・貯蔵、利用の新規基盤技術の開発

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    重点9課題

    エネルギー問題

    01エネルギーの高効率な創出、変換・貯蔵、利用の新規基盤技術の開発

    自然科学研究機構分子科学研究所 ほか8機関

    エネルギーを生み出し、保存し、上手に使うためシミュレーションに取り組みます。有機系太陽電池や人工光合成によるエネルギー創出、高性能な電池によるエネルギー保存、メタンハイドレートからのメタン回収など、多くの分子・原子が複雑に関係しあう事象を解明し、エネルギー問題の解決につながる技術を得ようとしています。
     

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  • 06

    革新的クリーンエネルギーシステムの実用化
     

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    重点9課題

    エネルギー問題

    01革新的クリーンエネルギーシステムの実用化

    東京大学大学院工学系研究科 ほか11機関

    超高効率で、環境の負荷が少ない、革新的なクリーンエネルギーシステムの実用化を大幅に加速します。例えば、二酸化炭素を排出しない石炭火力発電のカギとなる石炭ガス化炉や、自然エネルギー利用を促進する大規模な洋上ウィンドファームのシミュレーションを行う計画です。巨大な設備の中でさまざまな現象が起こる過程を、条件を変えて何度もシミュレーションし、ガス化炉や大規模風車の実用化を加速します。

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産業競争の強化

  • 07

    次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成

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    重点9課題

    産業競争の強化

    01次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成

    東京大学物性研究所 ほか7機関

    次世代の産業を支えるデバイスや材料を創るため、実験やビッグデータ解析などと連携し、半導体、超伝導材料、構造材料、機能化学品などの高機能化のためのシミュレーションを行います。例えば、より高性能な電気自動車のモーター開発を加速するため、多数の原子や電子の振る舞いをシミュレーションすることで、複雑な組成や構造をもつ候補材料の中から高温でも高い保磁力をもつ磁石材料を探索します。

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  • 08

    近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発

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    重点9課題

    産業競争の強化

    01近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発

    東京大学生産技術研究所 ほか7機関

    日本が得意とするものづくりへの貢献が期待されます。例えば、車体の周りやエンジンルーム内の空気の流れ、ハンドル操作と車の運動、車内の騒音などを連携してシミュレーションできる統合設計システムをつくりあげ、設計を少し変えたときに燃費や安全性、快適性などがどう変わるかを何度も高速にシミュレーションして最適設計を実現するのが目標です。

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基礎科学の発展

  • 09

    宇宙の基本法則と進化の解明
     

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    重点9課題

    基礎科学の発展

    01 宇宙の基本法則と進化の解明

    筑波大学計算科学研究センター ほか10機関

    素粒子から宇宙までの異なるスケールにまたがる現象の精密計算を実現し、大型実験・観測のデータと組み合わせて、多くの謎が残されている素粒子・原子核・宇宙物理学全体にわたる物質創成史の解明を目指します。

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萌芽的課題

  • 01

    基礎科学のフロンティア - 極限への挑戦

    萌芽的課題

    基礎科学のフロンティア-極限への挑戦

    極限を探究する基礎科学のフロンティアで、実験・観測や「京」を用いた個別計算科学の成果にもかかわらず答えの出ていない難問に、ポスト「京」のみがなし得る新しい科学の共創と学際連携で挑み、解決を目指す。

    01基礎科学の挑戦―複合・マルチスケール問題を通した極限の探求
    (久保百司 東北大学金属材料研究所)

    これまでに、材料の破壊、地震、大気・海洋の変動、火山噴火、マグマ、観測困難な極限物性など、極限を探求する科学は「京」等を使った大規模計算により各分野で大きく進展した。
     これに対し本課題では、この個別理解を基に、未解決で残された異なる階層をつなぐ複合・マルチスケール問題に対して、計算精度・計算可能性の限界突破に挑戦する汎用的手法を開発するとともに、学際連携を通して解決する。これら問題の解決により、基礎科学のフロンティアの開拓と人類的課題の解決を実現する。

     

    02極限の探求に資する精度保証付き数値計算学の展開と超高性能計算環境の創成
    (荻田武史 東京女子大学)

    ポスト「京」において、基礎科学における極限を探求するための革新的かつ横断的な計算基盤を構築する。高速性のみではなく、計算結果を精度保証し、必要に応じて高精度化することが可能な超高性能計算環境を創成する。

     

    03複合相関が織りなす極限マテリアル-原子スケールからのアプローチ
    (松下雄一郎 東京大学大学院)

    極限環境下でのマテリアルの原子論的シミュレーションにより、従来とは質的に違う現象に挑戦する。

     

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  • 02

    複数の社会経済現象の相互作用のモデル構築とその応用研究

    萌芽的課題

    健康長寿社会の実現

    02個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学

    東京大学医科学研究所 ほか6機関

    ポスト「京」によって初めて実現できる「情報の技術」、「物理の原理の応用」、そして「ビッグデータの活用」により、環境・生体時空間的にゲノムから全身を捉え、加齢などとともに生じるがん、循環器系、神経系など、全身の疾患に対して、その病態の理解と効果的な治療の探索法の研究を行い、その成果を個別化・予防医療へ返す支援基盤となる統合計算生命科学を確立することを目的としています。
     

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  • 03

    太陽系外惑星(第二の地球)の誕生と太陽系内惑星環境変動の解明

    萌芽的課題

    健康長寿社会の実現

    03個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学

    東京大学医科学研究所 ほか6機関

    ポスト「京」によって初めて実現できる「情報の技術」、「物理の原理の応用」、そして「ビッグデータの活用」により、環境・生体時空間的にゲノムから全身を捉え、加齢などとともに生じるがん、循環器系、神経系など、全身の疾患に対して、その病態の理解と効果的な治療の探索法の研究を行い、その成果を個別化・予防医療へ返す支援基盤となる統合計算生命科学を確立することを目的としています。
     

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  • 04

    思考を実現する神経回路機構の解明と人工知能への応用

    萌芽的課題

    健康長寿社会の実現

    04個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学

    東京大学医科学研究所 ほか6機関

    ポスト「京」によって初めて実現できる「情報の技術」、「物理の原理の応用」、そして「ビッグデータの活用」により、環境・生体時空間的にゲノムから全身を捉え、加齢などとともに生じるがん、循環器系、神経系など、全身の疾患に対して、その病態の理解と効果的な治療の探索法の研究を行い、その成果を個別化・予防医療へ返す支援基盤となる統合計算生命科学を確立することを目的としています。
     

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ポスト「京」の開発Development of Post K Supercomputer

テクノロジーの未踏領域へ向かうスーパーコンピュータの開発。
目指すのは世界を変えるシミュレーションの実現です。

石川プロジェクトリーダーからのメッセージ

フラッグシップ2020プロジェクト(ポスト「京」開発)
プロジェクトリーダー 石川 裕(いしかわ ゆたか)

2020年代に解決すべき社会的・科学的課題に貢献するスーパーコンピュータとしてポスト「京」の開発が始まりました。ポスト「京」が完成すると、「京」コンピュータで1年もかかる問題が数日で解けるようになり、スーパーコンピュータの活用範囲や使い方の可能性が大きく拡がります。ライフサイエンス、防災・環境、エネルギー、ものづくり、基礎物理分野などの課題を解決する道具として期待されています。

これを実現するためには、技術面でもさまざまな挑戦があります。ポスト「京」の開発では、高性能電力比、高生産性、高信頼性を有し使い勝手の良いスーパーコンピュータの実現を目指します。このために高いアプリケーション性能を低い消費電力で実現するハードウェア・ソフトウェアの開発、容易にポスト「京」の能力を引き出すためのアプリケーション開発支援ソフトウェアの開発、最先端微細加工技術を採用するとともに故障率上昇を抑え「京」と同程度の信頼性・耐故障性を実現するハードウェア・ソフトウエアの開発を行います。

2020年頃から一般利用を開始する予定です。皆様のご期待に応えられるよう、関係者一同全力で取り組んでいます。ぜひご期待ください。

ポスト「京」の開発 プロジェクトチーム

  • システムソフトウェア
    開発チーム
    チームリーダー

    石川 裕

    ハードウェアを管理・制御するシステムソフトウェアを開発。最適な実行環境を提供する。国際協力も推進中。

  • アーキテクチャ開発チーム
    チームリーダー

    佐藤 三久

    開発担当企業と協力し、アーキテクチャの設計・開発に加え、スパコンを使いこなすためのプログラミング環境を研究開発。

  • アプリケーション開発チーム
    チームリーダー

    富田 浩文

    9課題の研究で使用する代表的なアプリケーションの性能評価と高速化を通し、他チーム・機関と協同でコデザインに取り組む。

  • コデザイン推進チーム
    チームリーダー

    牧野 淳一郎

    ハードウェアとアプリケーション性能の最大化を狙い、設計初期からコデザインを進める。新しいアルゴリズムの研究も行う。

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紹介ムービーMovie

     

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