ここ十数年、製薬業界では新薬の創出が低迷し、開発費が増え続けているという深刻な課題に直面しています。それは、つくりやすいタイプの薬はすでに開発され、つくることが難しいタイプが残ってしまったことが大きな原因の一つだといわれています。病気の原因となるタンパク質などに結合して、その機能を制御する分子が薬となります。たくさんの分子の中から標的のタンパク質だけに強く結合する薬の候補分子を探し出し、薬効を上げ、副作用を軽減するための実験に大きなコストと時間が掛かっています。ポスト「京」を用いてそれらの実験をコンピュータシミュレーションに置き換えることで、開発プロセスの効率化、開発費の低減、さらには薬のつくり方を革新し、薬効が高く副作用の少ない新薬の創出を促進します。