理化学研究所 計算科学研究機構

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第97回

第97回
日時: 2016年9月14日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目: X線自由電子レーザー回折像からの生体分子三次元構造の復元
・講演者: 中野 美紀 (計算構造生物学研究ユニット)
※発表は日本語、スライドは英語。

講演要旨: 詳細を見る

X線自由電子レーザー(XFEL)による単粒子立体構造解析は、結晶化が難しい生体分子や生体組織を自然に近い状態で観察できる新しい構造生物学的手法である。XFEL単粒子立体構造解析では、試料分子に対して様々な方位からのX線照射により得られる多数の二次元回折像から、波数空間での試料分子の三次元構造(構造因子)を構築する。三次元構造の再構築には試料分子に対するX線入射角を知る必要があるが、単粒子実験においては、X線入射方向に対する試料分子の方向を制御することが極めて困難であるため、入射角は計算機を用いた反復計算により推定される。我々は、極低温透過型電子顕微鏡による単粒子立体構造解析の画像処理ソフトウェアとして広く用いられているXmippを基に、XFEL実験により得られる回折画像を扱うことができるプログラムの開発を行っている。本講演では、我々が開発したプログラムを用いて、X線トモグラフィ法により得られたTa2O5の回折画像からX線入射角度を推定した結果について紹介する。