理化学研究所 計算科学研究機構

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ポスト「京」の開発

重点課題概要

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ポスト「京」開発の最大の目的は、現代社会が抱えるさまざまな課題と、科学分野における重要な問題の解決に貢献することです。完成時に世界最高水準の性能をもち、さまざまな用途に使えるスパコンとなることをめざしているのは、この目的を果たすためといっても過言ではありません。

ポスト「京」で取り組むべき課題は、文部科学省における学界・産業界の有識者からなる検討委員会(※1)において、以下の3つの観点から検討されました。

①社会的・国家的にみて、取り組む意義が高いか
②世界をリードするような成果が期待されるか
③ポスト「京」の性能を有効に活用できるか

その結果、2014年8月に以下の9つの重点課題を決定し、同年12月には各課題の実施機関を公募により決定しました。

ポスト「京」の重点課題(9課題)

スパコンによるシミュレーションでは、実験や観測が不可能な現象や、費用や設備の面で行いにくい実験を再現できますが、再現の規模や精度は、スパコンの計算性能とアプリケーションに大きく依存します。このため、重点課題では、ポスト「京」の高い計算性能があってこそ初めて可能になる、大規模・高精度のシミュレーションが計画されています。

一方、近年、観測技術や分析手法の進歩により、従来とは比べものにならないほど大量のデータが得られるようになってきました。これらのビッグデータを解析し、そこから有用な情報を得るには、性能の高いスパコンが必要になります。そこで、重点課題の中には、ポスト「京」でビッグデータの解析を行うものもあります。

こうした大規模シミュレーションやビッグデータ解析を、ポスト「京」の運用開始後、速やかに開始できるようにするため、アプリケーション開発とシステム開発を協調的に進めています(このコンセプトを「コデザイン」と呼んでいます)。

各重点課題の要となるアプリケーションは、それぞれ異なる計算手法を用いており、すべてを合わせると、主要な計算手法を網羅することになります。そして、その中には、「京」での開発成果を継承するものも多くあります。システムとのコデザインにより、これらをポスト「京」に適した形で開発すれば、そのノウハウは、ポスト「京」クラスのスパコンが普及する際に、大いに役立つことでしょう。

ポスト「京」の重点課題は、日本にとって重要な課題の解決を最優先としつつ、スパコンと計算科学の進歩と普及に貢献することが期待されているのです。

※1 「ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会」

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