国際ワークショップ 第6回 JLESC(ジェイレスク @ 神戸)開催報告
2016年11月30日〜12月2日、兵庫県の神戸に、米・欧・日本からスーパーコンピュータを持つ6機関が集まり、スーパーコンピュータなどで使用するソフトウェア技術についてワークショップを開催しました。国内外から100名以上が参加しました。
JLESC(ジェイレスク)とは?
米のアルゴンヌ研究所や、ドイツのユーリッヒスーパーコンピューティングセンターなどを含む6機関(参加機関)が共同で研究活動を行うために作られた国際組織がJLESCです。大規模で高性能な計算科学で使用するソフトウェアに関する多くの研究プロジェクトが進行しており、年2回のワークショップ開催の他、研究員を相互に派遣し、様々な共同研究も行われています。
ワークショップのプログラム
今回のワークショップでは、3日間で12のセッションを設け(アジェンダ)、50以上の発表が行われました。理研AICSからは12名の研究者が最新の研究についての発表や司会を担当しました。パラレルセッション(同時並行)もあり、参加者は興味のあるテーマを選び、熱心に耳を傾けました。(フォトギャラリー)
~研究員の参加レポート~
神戸で開催されたJLESCワークショップは、自分たち同様に産業界向けの次世代アプリケーションを開発している欧米の第一線の研究者と直接意見交換できる良い機会でした。お互いのアイデアや方向性を紹介しあうことで、自分たちの長所や弱点を再確認することができ、学会発表とはまた違う本音ベースの話ができたのはとても有意義でした。今回培った人脈は、このワークショップだけではなく、今後10年、20年と続く交流の機会を与えてくれる貴重な第一歩となったと思います。
●JLESC共同プロジェクト:Comparison of Meshing and CFD Methods for Accurate Flow Simulations on HPC systems
(HPCを利用した精緻な流体シミュレーションのためのメッシュ生成とCFD(数値流体力学)の手法比較)
※ものづくりなどに使われる手法の研究
大西慶治特別研究員(複雑現象統一的解法研究チーム)
AICSが参加する研究テーマ
プロジェクト名:Comparison of Meshing and CFD Methods for Accurate Flow Simulations on HPC systems
プロジェクト名:HPC libraries for solving dense symmetric eigenvalue problems
プロジェクト名:Developer tools for porting and tuning parallel applications on extreme-scale parallel systems
プロジェクト名:SSSP: Simpli ed Sustained System Performance Metric"
参加機関
UIUC イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
INRIA フランス国立情報学自動制御研究所
ANL アルゴンヌ国立研究所
BSC バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター
JSC ユーリッヒ・スーパーコンピューティング・センター
理研 計算科学研究機構(理研AICS)
今後の予定
2017年7月 米国・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校