理化学研究所 計算科学研究機構

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Events/Documents イベント・広報

「時間並列計算」ミニセミナー開催報告(8月20日)

2015年8月20日、ドイツのユーリッヒ・スーパーコンピューティングセンターのロバート・シュペック博士(Dr. Robert Speck)来日に伴い、理研AICSでは「時間並列計算法」のミニセミナーを開催しました。

※写真は講師の「京」の見学時の様子
右端:ユーリッヒ・スーパーコンピューティングセンターのロバート・シュペック博士
左端:九州大学情報基盤研究開発センター学際計算科学研究部門の高見准教授
(クリックすると拡大します)

将来へ向けての新たな挑戦

現在、世界ではエクサスケールへ向けての新たな挑戦が計算科学の課題となっています。エクサスケール規模のコンピュータでは、アプリケーションに対する並列性(多くの計算を同時に効率よく行なえる規模のこと)への要求は現在の百万規模からさらに数桁上がる見通しです。

新たな並列化の方向 - 時間

ユーリッヒ ロバート・シュペック博士来日

並列性の向上には、空間、波数、エネルギー方向等への並列化の取り組みがなされてきましたが、近年、これらの方法での並列性向上は、限界に近づいているのではないかとも考えられています。そのため、新たな並列化の方向が期待されており、その1つとして時間方向があります。

今回のミニセミナー内容

今回、時間並列計算理論の専門家であるロバート・シュペック博士は、時間並列計算の基礎、応用の状況、将来の展望等について関係者向けに講演を行い、現状の課題やその解決の見通し、時間並列計算コード作成に係る基盤ソフト等について、集まった25名の参加者からの質問に答えました。

今後、この技術はエクサスケールへ向けたアプリケーション開発を進める上で、重要な技術の1つとなることが期待できます。