理化学研究所 計算科学研究機構

メニュー
メニュー
Events/Documents イベント・広報

第9回「進化計算学会研究会」(9月7日~8日)開催報告

第9回 進化計算学会研究会 2015

2015年9月7日~8日に第9回「進化計算学会研究会」が理化学研究所計算科学研究機構セミナー室で開催され、2日間で22件の研究発表と機構研究員による特別講演が行われました。多数の学生を含む50名を超える参加者があり、ポスターセッションでは、 会員同士だけでなく、機構の研究員との活発な議論も行われました。

※本研究会の詳細については主催者のウェブサイトをご覧ください。

進化計算学会

進化計算学会は、進化計算に関する研究の推進および知識の普及をはかり、学術の発展 に寄与することを目的に2010年4月1日に設立されました。論文誌の発行のほか、シンポジウムおよび研究会の開催などの事業を行っています。

「進化計算」とは?

「より良い物をより安く購入したい」、「より早く目的地に到着したい」という最適化の考え方は身近なものです。この最適化の問題の解を求めることは多くの分野における大事なテーマですが、実際には解析的な手法で解を求めることができない問題が多くあります。

そのような問題においても実行可能な全ての場合を試すことができれば最適な解を求めることができます。しかし、大規模な問題では「京」コンピュータのようなスパコンを用いても、すべての場合の計算には膨大な時間が必要となるため、現実的な計算時間の中でより良い解を発見するための方法が必要とされています。

進化計算は、試行錯誤的な方法を用いて、そのような問題におけるより良い解を見つけることを目指した方法のひとつです。代表的なものに生物の進化の過程にヒントを得た 「遺伝的アルゴリズム」や生物集団の振る舞いにヒントを得た「粒子群最適化法」があり、このほかにも多様なアルゴリズムが提案されています。現在、これらのアルゴリズムの改良や実問題への応用が研究されています。

さらに、近年の計算機の性能の向上に応じて、より複雑かつより大規模な問題が扱えるようになったことから、「京」コンピュータが活躍する研究分野でも、進化計算の利用が期待されます。