理化学研究所 計算科学研究機構

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地球全体の大気について、世界最大規模である1万個の「アンサンブルデータ同化」に成功 〜1万キロ離れた場所の観測値を使って、大気の状態を精度よく推定できる可能性も〜

天気予報にはコンピュータシミュレーションが使われています。シミュレーション結果を少しでも現実に近づけるために、実際の観測データを取り入れる手法を「データ同化」と呼びます。その中でも、少しばらつきをもたせた複数のシミュレーション結果を利用する手法が「アンサンブルデータ同化」です。今回「京」の上で新しいソフトウェア(*1)を使用することで、従来100個程だったアンサンブルデータを世界最大規模の10,240個に増やし、地球全体の大気のデータ同化を3週間分行うことに成功しました。計算量は従来の100万倍(*2)となりました。今回の結果から、例えば日本から1万キロ離れた地点の観測値を有効に使い、日本の天気予報の誤差を減らせる可能性などもあり、今後の天気予報シミュレーションの改善への貢献が期待されます。

*1 アンサンブルデータ同化計算ソフトLETKFと、高性能固有値計算ソフトEigenExa(アイゲンエクサ)を利用
*2 固有値計算部分。従来100個のアンサンブルを100倍の1万個に増やすことで、その3乗の100万倍の計算量となる

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