理化学研究所 計算科学研究機構

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「京」による大規模な気泡生成シミュレーションに成功~シャンパンの気泡同士に働く力の解明により、さまざまな工業分野への応用に期待!~

シャンパンや炭酸飲料の栓を空けると、たくさんの泡が出ますが、その後、大きい泡がより大きく、小さい泡がより小さくなる「オストワルド成長」という現象が起きます。研究チームはこの現象を「京」を用いて7億個の粒子を使って再現し、気泡が発生する最初の過程のミクロな様子を世界で初めて明らかにしました。この結果、時間に伴って気泡の数が変化する様子が、理論による予想と一致することが分かりました。この結果を用いるとシミュレーションによって、気泡の発生や成長、気泡同士に働く力を分子レベルから明らかにすることが可能になり、発電所のタービン(※)や船舶のスクリューの設計、金属合金の生産など、さまざまな工業分野への応用に貢献すると期待されます。

※発電タービンの多くでは、水を蒸気に変えるのにボイラーを使用しています。ボイラーの中では、水から蒸気に変わるときに沸騰(温度を上げることにより起きる発泡現象)が起きていて、ボイラーやタービンの動作効率に大きな影響を与えます。気泡発生の仕組みを調べることで、発電効率の高い発電所の設計につなげることができると期待されます。

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