「京」を支える施設
「京(けい)」の性能を最大限引き出す設備・能力
スーパーコンピュータを運転するには建物や環境にも十分配慮した設備が必要です。
計算時に発せられる熱を冷やしたり、システムの最適な配置ができるように、この施設には様々な工夫がなされています。
「京」の性能を常時保証できる構造、安定運用に必要な設備を持つ施設であるとともに、研究交流や多様な知識の融合を促進できる研究・教育環境が整備され、我が国の研究開発基盤の強化と技術力の維持向上に大きく貢献することが期待されています。
研究棟 | 計算機棟 | 熱源機械棟 | 特高施設 | |
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構造 | 鉄骨造り 地上6階、地下1階 |
鉄骨造り 地上3階、地下1階 |
鉄筋コンクリート造り 地上2階 |
鉄筋コンクリート造り 地上2階 |
建築面積 | 約1,800m2 | 約4,300m2 | 約1,900m2 | 約200m2 |
延床面積 | 約9,000m2 | 約10,500m2 | 約2,100m2 | 約300m2 |
■敷地面積: | 約2ha(準工業地域) |
■総電力: | 最大20MW(計算機システム) |
■電力設備: | 70kV特高受電、コージェネレーション発電併用 |
■冷却設備 | 計算機棟空調機台数/地下1階:計14台 2階:計50台 |
■耐震性
神戸市の協力により、地盤の液状化対策を実施。
また、積層ゴムやダンパーを各所に設置した免震構造
により、震度6強レベルの大地震が起きても主要機能を確保することが可能です。
■環境への配慮
省エネルギー性能に優れた高効率機器の採用、コージェネレーション発電による廃熱の有効利用、屋根面に設置した太陽光パネルによる発電を通じ、省エネルギーに貢献しています。
また冷却塔ブロー水等の排水を再利用したり、消音効果を高める建屋形状にするなどして、周囲の環境に配慮しています。
■計算機室
「京」本体は864台の計算機筐体(ラック)、合計20万本以上で総延長1000km以上になるケーブルから構成されています。
これらを効率的に配置・配線できるようにするため、「京」本体を収める計算機棟の3階は、1本も柱のない、50mx60mの広大な空間となっています。
こうして設置レイアウトの自由度を実現する一方、最大1.5tにもなる筐体(ラック)の重量を支えるために平均1t/m2の床耐荷重を確保する必要があり、その実現のため高度な建築技術が用いられています。
また、グローバルファイルシステムを設置している1階も、柱は中央部分に3本のみとなっています。