- 2000
京都大学理学部卒業 - 2000
気象庁総務部企画課 - 2002
気象庁予報部数値予報課 - 2003
人事院行政官長期在外研究員としてメリーランド大学に留学 - 2005
メリーランド大学気象学博士課程修了Ph.D.学位取得 - 2005
気象庁予報部数値予報課 - 2007
気象庁予報部数値予報課技術専門官 - 2009
メリーランド大学Research Assistant Professor - 2011
メリーランド大学Assistant Professor - 2012
AICSデータ同化研究チーム チームリーダー(現職)
データ同化研究チーム
シミュレーションと実測データを融合するデータサイエンス
データ同化は、シミュレーションと実測データとを融合し相乗効果を生み出す学際的科学で、力学系理論や統計数理に基づくデータサイエンスである。計算機が高度化しシミュレーションが精緻になるほど、実際に観測されたデータとシミュレーションとを突き合わせ、これらを融合することの意義・効用が増す。当研究チームでは、シミュレーションと実測データを最も効果的に融合することをめざし、高度なデータ同化手法やデータ同化の幅広い応用に関する先端研究に取り組む。特に、高性能なスーパーコンピュータによる「ビッグシミュレーション」と新型センサから得られる「ビッグデータ」を生かすための効率的かつ高精度なデータ同化に向けたチャレンジに取り組む。具体的には、①効率的かつ高精度なデータ同化に向けた基礎理論やアルゴリズム研究、②「京」および新型センサによる「ビッグデータ」を生かしたデータ同化の理論・応用研究、③ 幅広いシミュレーション領域への新たなデータ同化応用を探る探索研究に取り組んでいる。これらの先進的なデータ同化研究により、シミュレーションの可能性を広げ、高性能スーパーコンピュータの有効活用につなげていく。
おもな研究成果
「京」と最新鋭気象レーダを生かしたゲリラ豪雨予測-「ビッグデータ同化」を実現、天気予報革命へ-
スーパーコンピュータを使った天気予報シミュレーションは、通常1kmより粗い解像度で、1 時間ごとに新しい観測データを取り込んで更新する。しかし、ゲリラ豪雨の場合、わずか数分の間に積乱雲が急激に発生・発達するため、1 時間の更新間隔では予測が困難だった。また、1kmより粗い解像度では、ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲を十分に解像できなかった。我々は、「京」と、最新鋭のフェーズドアレイ気象レーダの双方から高速に得られる膨大なデータを組み合わせることで、解像度100m で30 秒ごとに新しい観測データを取り込んで更新する、空間的・時間的に桁違いの天気予報シミュレーションを実現し、実際のゲリラ豪雨の動きを詳細に再現することに成功した。
天気予報の根幹をなすのは、シミュレーションと実測データを組み合わせる「データ同化」である。次世代の高精細シミュレーションと高性能センサを組み合わせる革新的な技術により、「ビッグデータ同化」を実現した。解像度100m で30 秒ごとという桁違いなデータを生かすデータ同化は本研究が初めてである。この技術を生かすことで、将来、これまで想像もつかなかったような超高速かつ超高精細な天気予報が可能になり、天気予報に革命をもたらすことが期待される。
2014年9月11日午前8時25分の神戸市付近における雨雲の分布
チームリーダー
三好 建正(みよし たけまさ)
- メールアドレス:
takemasa.miyoshi[at]riken.jp - チーム・ウェブサイト
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