「京」産業利用について
スーパーコンピュータ「京」は産業界にも広く開かれた研究施設です。産業利用により社会で生活に役立つ優れた成果を生み出し、産業競争力を強化することが期待されています。「京」の産業利用については、利用の拡大に向け、さまざまな利用制度が用意され、技術的な支援が実施されています。
■ 利用の種類
- トライアルユース
小規模な計算資源を用いて、企業の課題において「京」が有効かどうか、半年間、無償でお試し利用することが出来ます。 - 個別利用
成果非公開を前提とした有償利用の制度ですが、急に計算が必要になった際にも随時受け付けにより迅速な審査を経て利用ができます。 - 実証利用
公開を前提とする無償利用の制度です。自社の産業課題を実際に高並列シミュレーションいただきシミュレーション技術の有効性・有用性を確認いただけます。 - ASP事業実証利用
ASP事業を実施中または計画中の企業を対象とした制度です。成果非公開を前提にASP事業を展開いただき京の産業利用促進を目指しています。
■ 優先利用制度について
有償利用となる個別利用およびASP事業実証利用では、通常より高い優先度でジョブを実行できる優先利用制度が利用可能です。
利用にあたっては産業利用専門のスタッフによる利用相談や利用支援を受けられます。
■ アクセスポイント
利用端末を備えた作業用個室、アクセスポイントを東京と神戸に用意し、端末を無償でご利用いただけます。アクセスポイントには技術スタッフが常駐し、利用相談や利用支援を行っています。
■ 課題募集・技術支援
一般的な研究課題の募集や技術的支援についての詳細はHPCIポータルサイトの産業利用ページ(登録施設利用促進機関のウェブサイト)をご覧ください。
■産業応用への取組
また、大きなブレイクスルーが期待できる重要な分野の成果の創出やアプリケーションの開発等をめざすHPCI戦略プログラム(文部科学省が推進)においても、創薬、新材料・デバイスの開発、ものづくり等の産業応用につなげる取組が進められています。これらの分野においても、企業と協力で画期的な成果が生まれています。
私たちの暮らしを支えるスパコンの力
現在も「京」などのスーパーコンピュータ(スパコン)は、産業界における製品開発など幅広い分野で利用されており、私たちの暮らしをさまざまな側面で支えています。その事例は、下記のサイトでも公開されています。
※スパコンシミュレーション利用事例集:計算科学振興財団のウェブサイト
(トップページ右下の「スパコンシミュレーション利用事例集」というバナーからご覧ください)
※「京」の産業利用などの研究内容に関する情報:HPCIポータルサイト
(HPCI研究成果のページ掲載の成果発表データベースをご覧ください)
※イラスト部分の「」の部分をクリックすると説明がポップアウトします。
産業利用促進について
■ 商用ソフトウェアの移植・高並列化の共同研究など
計算科学研究機構では「京」の産業利用促進のために、産業界で利用されている商用ソフトウェアの「京」への移植・高並列化に取り組んでおり、産業界との共同研究も積極的に進めています。
また、産業界からのニーズ等の把握に努め、企業にとってより利用しやすいシステムや運用方法などの検討を進めています。
■ 関係機関との連携・協力
産業利用の促進に向けて、以下の機関等と連携・協力しながら活動を進めています。
- 登録施設利用促進機関 一般財団法人 高度情報科学技術研究機構(RIST)
産業利用を含む「京」の利用促進・利用支援業務を行います。
「ご利用に当たって」のページをご覧ください。 - 公益財団法人 計算科学振興財団(FOCUS)
産業利用に向けた普及啓発や高度利用支援を行うことにより、計算科学分野の振興と産業経済の発展に寄与することを目的として活動しています。独自に保有する産業利用専用の小型スパコン(FOCUSスパコン)を活用し、「京」利用に向けたステップアップの支援を行っています。
また、「京」を使うためのアクセスポイントの一つである、「HPCIアクセスポイント神戸」を運営しています。設置機器の内容や利用規定、利用申込みなど、詳しくはこちらをご覧ください。