XcalableMPがHPCCのClass2部門賞を2年連続受賞
XcalableMPを「京」で用いた際の性能が、スーパーコンピュータに関する国際会議SCのHPCチャレンジベンチマークコンテストにおいて、2013、14年と続けてClass2部門賞を受賞した。この部門では、提案する並列プログラミング言語でRandomAccess、FFT、HPL、STREAMなどのベンチマークを実装したときの性能と生産性を評価する。我々は典型的なステンシル計算であるHimenoベンチマークも加え、これらを「京」で性能評価した結果を提出した(最大の場合「京」の全ノードを用いた)。2014年には、「京」に向けてコンパイラをチューニングした他、アルゴリズムの工夫を行った結果、XcalableMPを用いたプログラムは、MPIによるレファレンス実装とほぼ同じ性能を達成できた(図)。また、生産性の一つの指標として、XcalableMPによるコードの行数がMPIを用いた場合のコードに比べて、少ないことがわかった。これらにより、XcalableMPが並列プログラミング言語として、良好な生産性と性能をもつことが示せた。
- 1982
東京大学理学部情報科学科卒業 - 1986
同大学院理学系研究科博士課程中退。理学博士 - 1986
新技術事業団後藤磁束量子情報プロジェクトに参加 - 1991
通産省電子技術総合研究所入所 - 1996
新情報処理開発機構並列分散システムパフォーマンス研究室 室長 - 2001
筑波大学 システム情報系教授 - 2007
同大学計算科学研究センターセンター長 - 2010
AICSプログラミング環境研究チーム チームリーダー(現職) - 2014
フラッグシップ2020プロジェクト副プロジェクトリーダー、アーキテクチャ開発チームチームリーダー(現職) - 2016
筑波大学 連携大学院教授、名誉教授