公益財団法人ひょうご科学技術協会 理事長 熊谷 信昭
スーパーコンピュータ京への期待
小学生の頃のソロバン、中学・高校時代の計算尺、大学時代の手廻し式計算機などに親しみ、阪大工学部で数100本の真空管を使った我が国初の電子計算機が作られていくのを間近に見てきた私にとって、京コンピュータの実現は文字通り隔世の感そのものである。
京コンピュータも要は数を計算する道具である。道具の値打ちはハサミと同様「使いよう」によって決まる。特に、京コンピュータはその能力が桁違いであるために、それを最大限有効に使いこなすこと自体が「創造的な仕事」となる。計算科学研究機構に期待するところはまさにその牽引役を果たしてもらうことである。
京コンピュータの利用はあらゆる分野に及び、その効用は計り知れない。