予算について
HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)と計算科学研究機構の予算について解説します。
HPCIの予算について
- HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)構築の予算額については、主として、(1)次世代スーパーコンピュータ(愛称「京(けい)」。以下、「京」という。)の開発・運用に関する経費、(2)文部科学省が特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(共用法)に基づき交付する「京」の利用促進のための経費、(3)「京」を核とするHPCIを構築し活用するためのプログラム(HPCI整備・運営、HPCI戦略プログラム※)経費からなります。
※HPCI戦略プログラムとは、「京」を中心としたHPCIを最大限に活用することで、(1) 画期的な成果の創出、(2) 高度な計算科学技術人材の創出、(3) 最先端コンピューティング研究教育拠点の形成を目指し、5つの戦略分野において「研究開発」および「計算科学技術推進体制の構築」を推進する文部科学省のプログラムです。平成23年度より実施し、平成27年度で終了しました。
(1)「京」の開発・運用については理化学研究所が主体となって進めています。一方、(2)の経費については、共用法に基づく利用促進業務の実施機関※ に対し、「京」の利用者選定や利用支援などの経費を交付することにより、(3)のプログラム経費については文部科学省が所要の経費を確保し、複数の研究機関に研究委託及び補助することにより進められています。
※平成23年10月28日に、文部科学省における審査を経て、財団法人高度情報科学技術研究機構(Research Organization for Information Science & Technology)(以下、「RIST」という。)が利用促進業務の実施主体に選定されました。RISTは、「京」を設置している理化学研究所計算科学研究機構の施設内等に、RIST神戸センターを設け、平成24年4月1日より利用促進業務を開始しています。RISTの詳細等につきましては、こちらをご覧ください。
- 「京」の開発につきましては、平成24年6月にシステムを完成し、平成24年9月から共用を開始したため、平成25年度はシステム製作費の計上はありません。
なお、平成18年度から平成24年度までの「京」のプロジェクト(システム開発・製作、ソフトウェア開発・評価、施設建設、グランドチャレンジアプリケーション開発※等を含む)にかかる総額は1,111億円となります。開発資金についての詳細はこちら。
※グランドチャレンジアプリケーション開発とは、ナノ分野及びライフサイエンス分野において、「京」を最大限活 用するためのペタスケールのソフトウェアを開発するため、文部科学省が委託事業として平成18年度より実施しているもので、ナノ分野については平成23年度に、ライフサイエンス分野については平成24年度に、それぞれ終了しました。
- 平成22年5月末に、神戸のポートアイランド内に「京」を設置する施設が完成し(平成18年度から設計を開始。建屋の工事総額は約193億円です。建屋の外観や内部の様子につきましては、こちら をご覧ください。)、同年7月には「京」を運用する組織(計算科学研究機構(以下、「機構」という。))が発足しました
計算科学研究機構の予算について
運用主体として「京」の維持管理を行うとともに、共用施設として利用者への供用にかかる業務を行う組織として、平成22年7月1日、理化学研究所内に機構が発足しました。
(1)「京」の運用等に必要な経費
「京」の運用に必要な経費は文部科学省が推進するHPCI構築関連の予算に含まれます。
平成28年度は、「京」の施設運用経費として、より一層の効率化を図った上で、建屋や計算機システムの保守とその運転にかかる光熱水等のために必要な経費を計上するほか、機構職員の人件費、「京」の高度化に資する研究や分野横断的な共通基盤的研究の体制を充実するための経費等を盛り込んでいます。今後も効率的かつ効果的な執行を行って参ります。さらに、RISTその他の関係機関と適切な役割分担の下、計算科学技術に関する研究者等の育成に努めるとともに、優れた研究開発成果を世界に向けて発信していくことにより、国内外のトップレベルの研究者等の交流の場となる最先端コンピューティング研究教育拠点として発展を図ることとしており、そのために必要な経費を計上しています。
注) HPCIの詳細につきましては、こちらをご覧ください。
注) HPCI構築関連の予算については、こちらをご覧ください。
(2)ポスト京の開発に必要な経費
我が国が直面する課題に対応するため、世界最高水準の汎用性のあるスーパーコンピュータの実現を目指しております。予算総額は、約1,300億円(うち国費分 約1,100億円)です。
(3)計算科学技術研究費及び推進費
計算科学技術研究事業では幅広い分野で、理論・実験と計算科学とによる三位一体の連携により、中長期的な先端研究の実施を行い、計算科学技術の質を飛躍的に向上させるための基盤技術の構築に取り組んでいます。
※機構の概要等につきましては、こちらをご覧ください。