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離散化チャネル結合法を軸とする原子核反応研究の進展と応用

[ 2014年03月24日 ]

弱束縛核が入射する反応では、入射核の分解状態(連続状態)との強い結合が散乱観測量に大きな影響を与える。この自由度を非摂動的に取り扱う反応模型として広く知られているのが、約30年前に提案された連続状態離散化チャネル結合法(Continuum-Discretized Coupled-Channels method;CDCC)である。この講義では、CDCCをめぐる近年の新しい展開を概観するとともに、不安定核の反応や天体核反応、さらに核データ研究に対するCDCCの適用例を紹介する。また、最近の大きな潮流となっている、2核子間相互作用をベースとして原子核-原子核反応を記述する「微視的反応論」の進展についても併せて報告したい。 本講義で特に強調したい点は次の2つである。1つは、素粒子物理学と宇宙物理学の架け橋として捉えた核反応研究の重要性である。事実、QCDに基礎を置く核力から有効相互作用を構築し、これを用いた微視的反応論によって天体核反応を記述する見通しも立ちつつある。そしてもう1つは、反応現象あるいは反応論それ自体についての面白さである。近年のCDCC研究の紹介を通じて、これらのメッセージを発信したいと考えている。

離散化チャネル結合法を軸とする原子核反応研究の進展と応用
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講師プロフィール 離散化チャネル結合法を軸とする原子核反応研究の進展と応用
名前:緒方 一介 所属:大阪大学核物理研究センター
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