一般的に量子化学計算では、分子軌道を用いて計算領域の離散化が行われる。その場合、系の大きさに応じて扱う空間の線形代数的な次数は組み合わせ的に増大する。この問題に対応するため、これまでに様々な量子化学の手法が考案されている。われわれは新たに、いわゆるBCS状態に相当する状態を複数用意する手法で分子系の記述を試みている。ある種の数学的な処方箋を用いることで、状態の効果的な記述が可能となっている。既存の手法と比較しつつ、これまでに分かってきたことを紹介したい。
第111回
第111回
日時: 2017年5月10日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂
・講演題目:BCS状態と量子化学計算
・講演者:植村 渉(量子系分子科学研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語