物質の第4の状態と呼ばれるプラズマは、構成物質が電離した状態であり、宇宙に存在する物質の99%以上がプラズマ状態にあるといわれるように非常にありふれた存在である。太陽や惑星周辺など宇宙に存在するプラズマの振る舞いを理解し、磁場などによってプラズマを閉じ込める核融合による発電を実現することがプラズマ物理の目標である。
プラズマは非線形性から発現する複雑現象の宝庫である。例えば、太陽表面のループ状の磁場構造や惑星大気における帯状流などの独特の構造が、プラズマの複雑な振る舞いの中から自発的に形成されることが観測されており、またそれらと類似する構造が核融合プラズマにおいて形成されることが知られている。
本講演では、非線形科学としてのプラズマ物理を概観し、典型的な非線形現象の一つである磁気リコネクション現象についての最近の研究を紹介します。
第122回
第122回
日時: 2017年11月1日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂
・講演題目:プラズマ中の非線形現象のシミュレーション研究
・講演者:沼田 龍介(兵庫県立大学 大学院シミュレーション学研究科)
※発表は英語 or 日本語、スライドは英語