これまで多くの台風に関する研究が行われてきましたがその全貌は未だ明らかではありません。
特に発生過程については未解明な部分が多く課題は山積していますが、まずは台風発生が起きる条件を理解しなければ詳細な過程の理解につながらないと考えています。
1つの特徴として台風発生時に顕著な流れ場は5つのパターンに分類されていますが、その分類手法は主観解析であるため長期解析に不向きでした。
そこで私は各流れパターンに客観的指標を定義し、自動的に下層流れパターンを決定する分類手法を開発しました。
これを用いて1979年から2008年の30年間の908事例を解析し、初めて気候値的な意味を持つ下層流れパターンの分類結果を得ることに成功しました。
さらに客観的指標を活かして、より大きな時空間スケールの季節内振動に関するインデックスと組み合わせて解析し、季節内振動の特定のライフステージに台風が発生しやすいことを明らかにしました。
第123回
第123回
日時: 2017年11月8日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂
・講演題目:台風発生環境場の流れ場に関する統計解析
・講演者:吉田 龍二(複合系気候科学研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語