理化学研究所 計算科学研究機構

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第124回

第124回
日時: 2017年11月9日(木)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:量子アニーリングの研究開発の現状と課題
・講演者:田中 宗(早稲田大学 高等研究所 准教授・JSTさきがけ研究者(兼任))
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

組合せ最適化処理を高速かつ高精度に実行すると期待されている量子アニーリングの研究開発は、ハードウェア開発、ソフトウェア開発、アプリケーション探索の三つの観点から活発に進められている。近年実現された量子アニーリングマシンを用いて組合せ最適化処理を行う際には、以下の段階で情報処理を行う。第一段階で、解きたい組合せ最適化問題をイジングモデルと呼ばれる統計力学模型に変換する。第二段階では、第一段階で得たイジングモデルを、量子アニーリングマシンの量子ビットネットワークに埋め込む。第三段階で、量子揺らぎを表現する横磁場を強く導入し、それを徐々に弱める。これにより得られた最終状態を測定し、結果を得るという計算技術である。
本講演ではまず、量子アニーリングの理論、及び主要な先行研究について紹介する。また、私が共同研究者と行った量子アニーリングの研究について述べる。更に、量子アニーリングが優れた計算技術となるために乗り越えるべき課題について紹介する。