International HPC Summer School 2015 開催報告(6月21日~26日)
2014年に引き続き、学生や若手研究者を対象にした国際サマースクール“6th International Summer School on HPC Challenges in Computational Sciences”をカナダのトロント大学にて開催しました。(2015年6月21日(日)~26日(金))
理化学研究所に加え、欧州・米国・カナダのハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)の組織で参加者を公募・選考した結果、十数カ国から総勢80名が集まり、日本からは8名が参加しました。参加・滞在費用がサポートされることもあり、注目のスクールです。
第一線の研究者による講義や実習のほか、メンター制度をはじめとした授業以外での講師や参加者同士の交流から、今後の研究に活かせるアイディアに触れ、研究への向き合い方、英語でのコミュニケーション方法などを考え、講師や参加者とつながりを深める貴重な機会となりました。
今年のスクールの内容
スクールでは、基調講演の後、各サイエンス分野のトークに加えて、プログラミング言語Pythonやチューニングなどの実習があります。チューニングでは、米国のスーパーコンピュータBlueWatersにログインして、実際のチューニングプロセスを体験しました。スーパーコンピュータを使うことが初めてという参加者も多くいました。夕食後のポスターセッションでは、興味を持った研究ポスターの前に集まり、質問や意見交換が行われました。
メンター制度
メンター1名につき参加者3名がグループになったメンター制度では、あらかじめ用意されたメンタリング・セッションに加え、研究の共通点で集まったり、趣味を中心として集まったりするなど、様々な方法でつながりを深めました。研究における悩みを相談し、研究者として将来どのように進んでいくか、またHPC業界にどのような課題があるか、国によってどのような違いがあるのかなども考える機会となりました。
今後の開催について
来年はヨーロッパで開催予定です。詳細が決まりましたら、当ウェブサイトなどで案内予定です。学生の方、若手研究者の方、ご応募お待ちしています!
参加者の感想
・ ポスターセッションでは、自分の専門である画像解析以外の様々な分野の講師や参加者から、アドバイスをもらっただけでなく、その場でデモプログラムの処理が遅い部分のコードの解決案を複数得ることができて驚いた。
・ 研究内容だけでなく、HPCの活用についてもアイディアが得られた。
・ Perfsuite, TAUなどのソフトウェアを知ることができ、今後の並列プログラム開発の研究で大いに役立てられると思う。
・ コンピュータサイエンスの方たちのHPCへの向き合い方が新鮮だった。
・ 自分の研究内容を異分野の方に英語で伝える時、専門用語を使わず平易な表現で言い換えることが大変難しかった。が、一生懸命聞こうとする姿勢がはげみになり、また自分も聞く態度を見習いたいと思った。英語表現の改善に力をいれたいと思った。
・ メンター制度では最初緊張したが、少しずつ慣れてきた。英語でコミュニケーションをとる良い機会となった。
・ 海外の学生とのつながりが少しであるが作ることができた。
・ メンター制度は、当初方針がわからなく様子をみていたが、もう少し早くから活用したかった。
・ 宿泊はホテルではなく学生寮だったので、他の部屋の騒音が気になった。
(コメント抜粋・編集ずみ)
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