並列プログラミングに関する国際会議 (IWOMP と OpenMPCon) 開催報告
2016年10月3日から7日まで奈良県奈良市にて並列プログラミングに関する国際会議 International Workshop on OpenMP (IWOMP)と OpenMP Developers Conference (OpenMPCon) を開催しました。世界各国から60名強の研究者、開発者が集まり、並列計算のための技術仕様であるOpenMPに関する研究発表や最新の開発状況について報告されました。
OpenMPは業界標準の技術仕様としてスパコンに限らず多くの並列計算機で標準的に利用されています。これまで10年以上の歴史をもった技術ですが、現在でも活発に次世代に向けた拡張や改善について検討が進められており、IWOMPを中心に最新の研究開発成果が報告されました。また、OpenMPConでは利用者からの事例報告を中心に議論されました。
また、IWOMPでは招待講演としてフラッグシップ2020プロジェクトの紹介が佐藤三久副プロジェクトリーダーから行われました。フラッグシップ2020プロジェクトで開発中のポスト「京」では現在の「京」よりさらに効率の良い並列化が重要になりますが、OpenMPではポスト「京」など将来のスパコンに向けた拡張などについて中心的に議論されました。今回の発表の論文は ”OpenMP: Memory, Devices, and Tasks”(Editors: Maruyama et al.)にまとめられています。