理化学研究所 計算科学研究機構

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Events/Documents イベント・広報

システムソフトウェア技術に関する国際会議「ISP2S2」開催報告 (2014年12月2日~4日)

ISP2S2

2014年12月2日~4日に、システムソフトウェア技術に関する国際会議「ISP2S2」が開催されました。250名を超える国内外の参加者が、主催者が所属する計算科学研究機構と神戸大学で3日にわたりプレゼンテーションや、ワークショップ、パネルディスカッションに参加し、活発に情報交換を行いました。当日のプログラムや招待講演者の講演資料は主催者のウェブサイト(英語)でご覧ください。

ISP2S2
JST/CREST International Symposium on Post Petascale System Software

「京」などのコンピュータでは、「システムソフトウェア」がハードウェアを管理・制御し、アプリケーションプログラムを安全かつ効率よく実行するための環境を提供しています(OSやミドルウェアなど)。 システムソフトウェア技術を高めて、それにあわせたハードウェアの設計を行うことで、低電力で、今よりもさらに高速な計算を行うスーパコンピュータの開発も可能となると考えられています。

主催者は、科学技術振興機構(JST)が実施するCREST(クレスト)という国家プロジェクトの一研究領域「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出」(代表:米澤明憲 計算科学研究機構 副機構長)です。CRESTでは、日本の科学技術政策や社会的・経済的ニーズに応える革新的な技術を生み出そうと産官学が協力しています。このプロジェクトは2010年から研究を行っています。

「京」は一秒間に10ペタ(フロップス)の速さで今まで不可能だったシミュレーションを実現するなど活躍していますが、現在日本を含め世界で桁違いに高速なスーパコンピュータの開発が進められています(ポストペタスケール、エクサスケールなど)。各国は新技術の開発にしのぎを削っていますが、同時に、システムソフトウェア技術について国際連携することによって、互いに最先端の技術を取り入れたり、共通化する動きもあります。

会議では国内外で進められているシステムソフトウェア技術に関する研究発表が多数行われました。その中には2014年に「京」を用いてグラフ処理ベンチマークで世界1位を達成した若手研究者など、計算科学研究機構の多くの研究者による講演やポスター発表も行われました。

また、最終日のパネルディスカッションでは、東工大の松岡教授をチェアとし、海外からの招待講演者と、京都大学の中島教授、ポスト「京」開発にも携わる牧野チームリーダーが参加しました。今後のHPC(*)の開発の方向性や、新技術、またアプリケーションの高速化でますます重要になるシステムソフトウェアの役割などについて、それぞれの見地から多様な意見があがりました。

今後の活動にもご注目ください。

※HPC - スパコンなど計算性能の高いハイ・パフォーマンス・コンピューティング