International Summer School 2014 開催報告
計算科学研究機構(AICS)では、ヨーロッパ、アメリカ、カナダと共同で、若手研究者を対象にした国際サマースクール“International Summer School 2014 on HPC Challenges in Computational Sciences”を2014年6月1日(日)~6日(金)にブダペスト工科経済大学にて開催しました。
本サマースクールは、学生や若手研究者を対象として、HPC(High Performance Computing)関連分野の第一線の研究者による講義や実習を通して、より広い視点で新たな知見を得る機会を提供するものです。さらに、同世代間の国際交流を深め、今後のHPC分野の発展を担う国際的人材の育成、輩出に寄与することを目的として開催されました。公募及び選考の結果、19カ国から総勢80名が集まり、内、日本からは10名が参加し、講師と参加者は約1週間、生活を共にしながら過ごしました。
(写真)日本からの参加者。画像をクリックすると拡大します。
講義では、基調講演や各サイエンス分野のトークに加えて、プログラミング言語Pythonやチューニングなどの実習も開催され、最先端のHPCの情報を得ることのできる良い機会となりました。特に、チューニングでは、米国のスーパーコンピュータBlueWatersにログインして、実際のチューニングプロセスを体験する貴重な機会を得ることができました。
本サマースクールでは、講師1名につき3~4名の参加者を割当て、講師はそれらの学生や若手研究者のメンターとして、より積極的に交流を図っていただくことを試みています。専門分野や経験も国籍も違うため、初めは緊張した様子でしたが、メンターを軸に、徐々に同じメンターを持つ参加者同士の交流も深まり、お互いの将来展望や今後のHPC業界の課題、また、共通の趣味を発見するなど、個人的な関係性を築くこともできたようです。参加者たちが研究上の難問にぶつかった際に、こういった交流が、新たな視点で解決の糸口を探るきっかけとなり、これまでありえなかった分野間の共同研究が始まることで、ブレイクスルーが生み出されるかもしれません。
来年はアメリカで開催される予定です。今回の参加者の声を聴きながらよりよいスクーリング等を行い、AICSも積極的に人材育成に貢献していきたいと考えています。