理化学研究所 計算科学研究機構

メニュー
メニュー
Events/Documents イベント・広報

AICS Cafe

AICS Cafe(アイクス・カフェ)は、異分野融合のための足掛かりとして、計算科学研究機構(AICS)に集う研究者が井戸端会議的にざっくばらんに議論する場として、毎月2回程度予定しております。興味をお持ちの方は原則どなたでも参加可能です。

※AICS関係者以外の方は、事前に aics-cafe[at]riken.jp にお問い合わせください。
また、継続的な連絡をご希望の方にはメール配信をさせて頂きますので、同アドレスまでご連絡ください。

  • 目 的: 異分野間の壁を超えた研究協力を促進し、新しい学問分野の開拓を目指すため、 研究者間の情報交換・相互理解の場を提供し、研究協力のきっかけを作る。
  • 会 場:AICS 6階講堂(予定)
  • 言 語:講演は日本語/英語、スライドは英語
  • その他:講演者は他分野の方にも理解できる発表を心掛け、参加者は積極的に質問しましょう。

第116回
日時: 2017年7月19日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:数値天気予報におけるデータ同化の先端研究
・講演者:小槻 峻司(データ同化研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

数値天気予報では、未来の天気を予測するための初期値推定が非常に重要である。データ同化は、数値天気予報モデルと観測データを最適につなぐ学際的科学である。数値天気予報においては根本的な役割を果たしており、モデルの予測と観測、及びそれらの誤差統計から最適な初期値を推定する。データ同化研究チームでは、全球・領域スケールの数値天気予報システムNICAM-LETKFやSCALE-LETKFを開発してきた。これらのシステムでは、高度なデータ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いて、数値天気予報の初期値を推定している。本発表では、数値天気予報で用いられているデータ同化手法の概念と基礎知識を導入すると共に、降水同化など最新のデータ同化研究について紹介する。

第115回
日時: 2017年7月12日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:Development of FDPS (Framework for Developing Particle Simulators) on Sunway Taihulight
・講演者:行方 大輔(粒子系シミュレータ研究チーム)
※発表・スライド共に英語

講演要旨: 詳細を見る

FDPS is a library for massively parallel particle simulations, which has been developed by our team. The current released version of FDPS can generate a parallel code that scales up to the K computer (Iwasawa et al. 2015, PASJ, 68, 54). However, it is not clear that FDPS generate a scalable code in the next generation of supercomputers. In order to identify potential problems of FDPS and to improve FDPS more, we need to analyze FDPS in a system larger than the K computer. In late January, we started the development of FDPS on Sunway Taihulight, which is the most powerful supercomputer in the world (as of Nov. 2016, 125.4 PFlops). In this talk, I'd like to introduce the current status of this project.

第114回
日時: 2017年6月21日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:大規模並列計算機の通信最適化技術
・講演者:森江 善之(システムソフトウェア研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

近年のスーパーコンピュータの大規模化は著しい。計算機の規模は数万から数十万ノードとなり、これからもこの傾向は続くと考えられる。一方、ネットワークにおいては、複数通信デバイスの搭載、ファットツリーやメッシュ/トーラスなどのネットワークトポロジの採用がなされている。これらのネットワークでは、複数通信デバイスの効率的な利用、ホップ数や通信衝突による通信遅延の増加など課題がある。そこで、これらの諸課題に対応する通信の最適化技術に関する取り組みについて紹介したい。

第113回
日時: 2017年6月7日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:磁気流体計算とテスト粒子計算を用いた水星磁気圏研究
・講演者:八木 学(プログラミング環境研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

地球に代表される太陽系磁化惑星の磁気圏の多くは、超音速プラズマ流である太 陽風と双極子磁場の相互作用とで特徴づけられている。地球においてはこれま で、数々の衛星観測や数値計算、モデリングなどが行われてきた。一方でほとん どの研究が、地球という特定の対象に特化したある種のケーススタディであり、 より普遍的なプラズマ物理の観点からは、同様の磁気圏を持つ水星や木星磁気圏 との比較研究も重要であると考えられる。本研究は、磁気流体(MHD)シミュ レーションと、テスト粒子計算を組み合わせることで、水星磁気圏ダイナミクス の解明に挑む。

第112回
日時: 2017年5月24日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:計算科学による洪水災害に対する住民の被害軽減と民学官の橋渡し
・講演者:大石 哲 ユニットリーダー(総合防災・減災研究ユニット)
※発表・スライド共に日本語

講演要旨: 詳細を見る

2015年の鬼怒川における洪水災害をうけて,あのような大量の降雨現象が武庫川で発生したらどのような事態になるであろうかとの懸念が西宮市民から寄せられ,西宮市から筆者の所に依頼があったので計算を行った.その結果について説明していく過程で,日本の河川整備計画の仕組みとその実践,ダムの活用に対する新たな計算科学の取り組み,住民の避難に対して科学・技術がどのように支援できるかを伝えたい。

第111回
日時: 2017年5月10日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目:BCS状態と量子化学計算
・講演者:植村 渉(量子系分子科学研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

一般的に量子化学計算では、分子軌道を用いて計算領域の離散化が行われる。その場合、系の大きさに応じて扱う空間の線形代数的な次数は組み合わせ的に増大する。この問題に対応するため、これまでに様々な量子化学の手法が考案されている。われわれは新たに、いわゆるBCS状態に相当する状態を複数用意する手法で分子系の記述を試みている。ある種の数学的な処方箋を用いることで、状態の効果的な記述が可能となっている。既存の手法と比較しつつ、これまでに分かってきたことを紹介したい。

第110回
日時: 2017年4月5日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目: アドラー心理学から考える自分の価値の高め方
・講演者: 池田 幸代(健康管理室)
※発表・スライド共に日本語

講演要旨: 詳細を見る

私は自尊感情が低い。自尊感情のレベルを測るテストでも低いと出てくるほどである。よって、常に自尊感情を高めていく方法には興味を持っていた。そこで、アドラー心理学について書かれている「嫌われる勇気」に出会った。その中には「自己受容」「他者貢献」「他者信頼」という言葉が鍵となって良く出てくる。特に自分を価値ある人間だと思うようになるには「他者貢献」をする必要があるとアドラーは言っている。「他者貢献」とはいったい何か?アドラー心理学の簡単な紹介をしながら計算科学の研究者と一緒に考えていければと思います。

第109回
日時: 2017年3月22日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目: Fixed-mesh method for solid/structure simulation: past, present and future
・講演者: 西口 浩司(複雑現象統一的解法研究チーム)
※発表・スライド共に英語。

講演要旨: 詳細を見る

For the last several decades, Lagrangian finite element methods, which use deformed-mesh, have been the de facto standard for solid/structure simulations. This method can track the surface of solid with high accuracy and compute constitutive relation of solid with ease, since a geometric domain of the solid is spatially discretized using unstructured mesh which conforms to the deforming solid.
On the other hand, an Eulerian finite element method for solid/structure mechanics was proposed in the early 1990s. This method uses spatially fixed mesh and thus allows solid material to flow through the mesh. In this context, compared to Lagrangian finite element methods (Deformed-mesh methods), Eulerian finite element methods (Fixed-mesh methods) are attractive for computing large deformation problems, computing fracture problems, and generating computational mesh easily.
Utilizing the above advantages, Eulerian finite element methods have been applied for bullet impact analysis, solid-fluid interaction analysis, soft adhesive analysis, and soft resin analysis. However, the computational challenges have been their expensive computational cost, the diffusion of the solution due to the advection, and the modeling of contact interfaces. In my presentation, I will explain the past, present and future studies of fixed-mesh methods for solid/structure mechanics.

第108回
日時: 2017年3月15日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目: 高並列レンダリング環境での並列画像重畳処理
・講演者: 野中 丈士(可視化技術研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語

講演要旨: 詳細を見る

高並列レンダリング環境での可視化処理はソートラスト式がデファクトスタンダードになっている。この方式は各可視化処理ノードでレンダリングされた画像を一つの画像にまとめる画像重畳処理を必要とし、各画像重畳ノードのアイドル時間を最小限に抑えて全てのノードを効率よく活用する並列画像重畳処理アルゴリズムが幅広く利用されている。並列レンダリング処理はノード数の増加により各ノードが担当する計算領域の削減が図れるが、並列画像重畳処理の場合はノード数の増加に比例して重畳処理を行うデータ量が増加するためウィークスケーリング風のスケーラビリティが求められる。本公演では、京コンピュータのフルノードが利用できるHIVE可視化アプリケーション向けに開発を行っている並列画像重畳ライブラリ(234Compositor)についての紹介を行う。

第107回
日時: 2017年2月15日(水)、15:30 – 16:30
場所: AICS 6階講堂

・講演題目: その天気予報の雨のシミュレーション、どれくらい当たってるの?調べてみよう!
・講演者: 粟津 妙華(データ同化研究チーム)
※発表は日本語、スライドは英語。

講演要旨: 詳細を見る

実際の雨の観測値と予測シミュレーションを見比べたとき、どのようにシミュレーションを評価したら良いでしょうか?雨が降る領域の場所や形を総合的に判断して、評価できるものでしょうか?実は、現在よく使われている雨のシミュレーションを検証する手法は、雨が降る領域の形や、場所のずれなど、私たち人間の感覚で得られる評価を直接考慮していないものでした。これらの手法は、雨が降る領域の形を完璧に予報できたとしても、わずかに位置がずれれば、私たち人間の目で見るとよくあっているように見えても、低い評価を与えてしまいます。
そこで私たちは、画像解析の手法を応用して、雨が降る領域の場所や形を使って検証する手法を開発しました。人がするような総合的な評価をするために、近くにある雨領域を統合し、その統合した領域内の形や位置ずれを計算する手法です。提案手法は、これまでの手法では表現できなかった形と位置ずれを評価できるようになりました。さらに、これに色をつけて可視化することで、直観的な評価を行えるようになりました。