2016年1月29日
記者勉強会資料
ポスト「京」スーパーコンピュータとポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題
スーパーコンピュータ「京」の後継機としてポスト「京」の開発が進められています。
今回の勉強会では、ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題の実施機関の代表者が、ポスト「京」で行う研究・開発の概要を紹介しました。
日 時:2016年1月29日(金)12:10~13:20
場 所:よみうり大手町小ホール
東京都千代田区大手町1-7-1(地下鉄大手町駅 C3出口直結)
※資料はウェブ掲載用に一部変更されています。
※資料内の画像使用については許諾が必要です。必ず事前に理研(ページ下部連絡先)にお問い合わせください。
12:10~12:15 | 開会の挨拶 (平尾 公彦・理化学研究所計算科学研究機構) | |
12:15~12:25 | 重点課題 全体概要の紹介 (工藤 雄之・文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室) |
資料1-1(PDF 0.9MB) 【注】資料内画像使用は理研に事前連絡要 |
12:25~12:52 |
重点課題①の概要(奥野 恭史・理化学研究所生命システム研究センター) 重点課題②の概要(宮野 悟・東京大学医科学研究所) 重点課題③の概要(堀 宗朗・東京大学地震研究所) 重点課題④の概要(高橋 桂子・海洋研究開発機構地球情報基盤センター) 重点課題⑤の概要(岡崎 進・自然科学研究機構分子科学研究所) 重点課題⑥の概要(吉村 忍・東京大学大学院工学系研究科) 重点課題⑦の概要(常行 真司・東京大学物性研究所) 重点課題⑧の概要(加藤 千幸・東京大学生産技術研究所) 重点課題⑨の概要(橋本 省二・高エネルギー加速器研究機構) |
資料2(PDF 2.5MB) 【注】資料内画像使用は理研に事前連絡要 |
12:52~13:20 | 質疑応答 |
ポスト「京」スーパーコンピュータ
ポスト「京」は、スーパーコンピュータ「京」の後継機です。2014年度から開始された文部科学省の「ポスト「京」開発事業(フラッグシップ2020プロジェクト: FLAGSHIP2020 Project)」の下、理化学研究所 計算科学研究機構が主体となってポスト「京」を開発・整備し、2020年度から運用を行う予定です。システムとアプリケーションを協調的に開発(協調設計:Co-design)するという方針に基づいて設計を行い、我が国が直面する社会的・科学的課題の解決に貢献できるシステムの構築を目指しています。
ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題
ポスト「京」においては、社会や科学分野のさまざまな課題を解決することを目指します。文部科学省では、世界を先導する成果創出が期待され、またポスト「京」を有効に活用できる課題について、ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題(重点課題)として選定しました。これらのアプリケーションとシステムを協調的に設計開発することで、ポスト「京」の運用開始後の早い段階から多くの成果が創出されます。
Email:aics-koho[at]riken.jp
電話:078-940-5625
担当:計算科学研究推進室 広報グループ 岡田
スーパーコンピュータ(スパコン)のランキングは近年さまざまに多様化しています。良く知られている「TOP500」は登場してから20年以上が経ちますが、主にスパコンの計算回数を競う指標であるため、スパコンの実用的な性能を必ずしも反映しない問題が指摘されています。そのような背景の中で最近、ビッグデータ処理の性能を競う「Graph500」、実際のアプリケーションで使用されるアルゴリズムの一つである共役勾配法の処理性能を競う「HPCG」、電力性能を競う「Green500」など、スパコンの実用的な性能を反映しうるさまざまな指標が登場しています。
今回の勉強会では、11月15日~20日に米国オースティンで開催されるスーパーコンピュータの国際会議「SC15」での各種ランキング発表に先立ち、多様化するスーパーコンピュータランキングとスパコンの開発動向を分かりやすく解説します。
日 時:2015年11月11日(水)15:00~17:55(受付は14:30から)
場 所:神戸会場:理化学研究所 計算科学研究機構1階 セミナー室
東京会場:理化学研究所 東京連絡事務所 (テレビ会議にて相互中継)
※資料はウェブ掲載用に一部変更されています
15:05~15:45 | 「スパコンの開発動向とベンチマークの光と影」(PDF 2MB) エクサスケールコンピューティング開発プロジェクト 佐藤 三久 現在、アメリカ、欧州、中国でエクサスケールを目指して数百ペタフロップスの性能を持つスパコンの開発が進められています。スパコンの目的は最先端の計算科学の様々なアプリケーションを実行することにより諸分野の科学を発展・推進することですが、アプリケーションの必要とする性能は様々です。必要な性能を代表するものとしてベンチマークプログラムが性能評価には用いられます。一方、ベンチマークの結果が実際のアプリケーションの性能を反映しない場合や結果の解釈に問題がある場合があります。最近のスパコンの開発動向とこれまでのベンチマークの歴史・種類について解説するとともに、ベンチマークによる性能評価の問題点について解説します。 |
15:45~16:15 | 「TOP500, HPCGへの挑戦」(PDF 1.7MB) 運用技術部門 ソフトウェア技術チーム 南 一生 世界で最も高速なスパコンを評価するプロジェクトとしてTOP500があります。TOP500は、1993年に発足しましたが、用いられているベンチマークプログラム(BMT):LINPACKが、演算性能の評価に重きを置いているために、近年、実アプリケーションとの乖離が指摘されることもありました。そこで、実アプリケーションで使われる計算手法の性能評価に重きを置いたBMT:HPCGが提案されています。「京」は、2011年にTOP500で世界1位、2014年にHPCGで世界2位を獲得しました。現代のスパコンの特徴から見たBMTの特性と、高い性能を引き出すBMTのチューニングへの挑戦について話をします。 |
16:15~16:25 | 休憩 |
16:25~16:55 | 「Graph500への挑戦」(PDF 5.4MB) 研究部門 プログラム構成モデル研究チーム 丸山 直也 Graph500は2010年から新しく始まったグラフ解析性能を競うベンチマークであり、スパコンの性能を測る新しい指標として注目されています。我々はこれまで「京」を用いたGraph500へ過去3年間に渡って挑戦してきており、2015年7月に更新されたランキングでは世界1位を達成しました。今回はTOP500などの他のベンチマークとの比較を通じてGraph500ベンチマークについて概略を説明します。 |
16:55~17:25 | 「Green500への軌跡と展開」(PDF 6.7MB) 理化学研究所 情報基盤センター 和光ユニット 黒川 原佳 株式会社ExaScalar CTO 鳥居 淳 2015年6月にGreen500で世界1位を獲得した、理化学研究所情報基盤センターのShoubuシステムの、エネルギー効率が高いスーパーコンピュータの根幹であるExaScaler(高密度基板実装や液浸システム)やPEZY-SCチップ(演算アクセラレータ)などの構成要素の説明や、その開発の経緯、そして、Shoubuシステムの構築に到った経緯や実際の構築や立ち上げなどの状況を説明。そして、Shoubuシステムの応用分野への適用や長期運用での評価など、今後の展望を紹介します。 |
17:25~17:55 | 質疑応答 |